ヘボンの子(卒業生有志)鎌倉散策記
7月5日(金)私達ヘボンの子(明治学院卒業生)の有志8名は、初夏の香りただよう
鎌倉散策に行って来ました。午前中の雨も、江ノ電由比ヶ浜駅13時集合時にはあがり、
電車を降りると、湘南の風が感じられました。
はじめに、由比ヶ浜駅隣接の飲茶キッチン、フェンロン(同窓生の親戚の方のお店)で、
中華ランチを頂きながら、話題の中心はやはりヘボン先生の事で、盛り上がりました。
ヘボン先生は、在日中、神奈川と横浜に住まわれ、近くの富岡海岸に行かれた記録は、
残っていますが、「鎌倉来訪」は残念ながら、今の所、確認されていません。
昼食後、今日のメイン・イベントである長谷寺散策に出発しました。昔ながらの家と、
おしゃれなお店が、混在している町なかを歩いて、15分ほどで長谷寺に着きました。
同窓生で長谷寺の統括役をされている大谷明氏が、とても丁寧に案内して下さいました。
長谷寺は、花と眺望の寺として親しまれ、特に紫陽花は、鎌倉でも有数の名所と
言われています。残念ながら、今回は時期が終わりかけていましたが、観音堂、
阿弥陀堂、弁天窟、宝物館はもとより、眺望散策路からの大パノラマが素晴らしく、
由比ヶ浜、三浦半島や相模湾が一望でき、年間120万人もの方々が参拝に訪れる
というのも頷けました。
本尊の十一面観音は高さが9.18Mもあり、日本一大きい木彫仏だそうですが、
そのスケールの大きさと荘厳な佇まいに魅せられてしまいました、721年に大和
(奈良県)にて,巨大な楠の霊木から、二体の観音像が造られ、一体は大和長谷寺の
本尊となり、残りの一体は、伊勢の海中へ奉じられましたが、15年の時を経て、
736年に三浦半島で発見され、開山後、鎌倉長谷寺に安置されたとの事です。
錫杖を右手に携え,岩座に立つ独特の尊容は「長谷寺式」といわれ、十一面により、
「いつでも世の中を救う事が出来るよう外界の全ての方向を見守っている」と説明して
頂きました。とても心に響く言葉でした。
次に宝物館を案内して頂きました。1264年に鋳造された鎌倉でも3番目に古い梵鐘
には、「新長谷寺」と彫ってありました。遠く離れた大和長谷寺との「えにし」が興味深く
感じられました。又観音三十三応現身立像という、三十三体の像が展示されていました。
「観音様が、三十三の形にトランスフォームしました」と説明して頂いたので、皆で
大笑いしてしまいました。眺望散策路で、絶景を楽しんだ後、皆の足は、自然と甘味処
「海光庵」に向かいました。窓辺の席で、そこからも長谷の町、相模湾が見おろせる
壮観な風景を見ながらの贅沢な休憩でした。各々お抹茶や、大吉だんご、長谷ぜんざい
などを頂きながらのおしゃべりは、疲れを癒してくれました。
忙しい日常から離れて、長い歴史に思いを馳せる時、ヘボン先生からいただいた
多くのプレゼントを「ヘボンの子」として感謝の気持ちを持って大いに活用し、又他の人々に
伝えていく必要性を再認識する事が出来ました。境内に咲いていたオレンジ色の
凌霄花{ノウゼンカズラ}の花と共に、とても印象深い鎌倉散策となりました。 (舎人 和子 記)